アマドコロ(甘野老)
  マドコロ(甘野老)  
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アマドコロ(甘野老 -Polygonatum odoratum-)
科 名:ユリ科
属 名:アマドコロ属
学 名:Polygonatum odoratum var.pluriflorum
生薬名:萎?(いずい)/玉竹(ぎょくちく)

【特徴】
 ナルコユリ(鳴子百合),ホウチャクソウ(宝鐸草)と花の形などがよく似ています。
 見分け方は,アマドコロやナルコユリは花が列をなして咲くのに対し、ホウチャクソウの花は茎の先端だけに咲きます。
 ナルコユリの茎は丸いですが、アマドコロの茎は稜があり多角形をしているので触ると少し角張った感じがします。

 アマドコロ、ナルコユリの地下茎は薬用などに利用され、若芽はゆでて食べられますが、ホウチャクソウは有毒成分が含まれているので注意が必要です。ただ、ホウチャクソウは摘んだときに独特の臭気を発するため見分けは可能。

【名前の由来】
 地下茎が「野老(トコロ-ヤマイモの一種-)」に似ており、野老(トコロ)は苦いのに対してアマドコロは甘いころから「甘い野老(トコロ)」=「甘野老」になりました。

※「野老(トコロ)」とは山芋の一種で,根にかたまりが出来る事から「凝(とこり)」=「ところ」に変化したといわれます。また「とろりとした汁」が出来る事からとの説もあります。
漢字の「野老」は,ひげ根が多数付く根を老人に見立て、海の「海老」に対して山野の「野老」ということでこの名になりました。

学名のPolygonatumはギリシャ語の「polys(多い)+gonu(節)」が語源で根茎が節くれ立っていることを指し、odoratum は「香りがよい」の意味
※ナルコユリの名前由来は花のつき方が田畑から害鳥を追い払う鳴子に似ている事から、ナルコユリ(鳴子百合)と呼ばれています。
※宝鐸(ほうちゃく,ほうたく)とは寺院建築物の軒先の四隅に吊り下げられた飾りで,風鐸(ふうたく)とも言い,花が垂れ下がって咲く姿がこの宝鐸に似る事からホウチャクソウ(宝鐸草)となりました。

【薬効】
 アマドコロの乾燥させた根を生薬の萎?(いずい)または玉竹(ぎょくちく)と言い、滋養、強壮、強精、老化防止、美肌、色白、脳卒中、糖尿病、胃潰瘍の目的で用いるそうです。また打撲傷・捻挫には、萎?(いずい)の粉末を食酢でかために練り患部に厚めに塗るか、生の根をすりおろして塗布するそうです。
 同じくナルコユリの根を乾燥させた物を生薬の黄精(おうせい)と言い、強壮薬として病後の衰弱者や慢性病、リューマチ、痛風などの体の弱っている場合に用いるそうです。
 
 
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